医師会ニュース

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2016年06月01日

***医師会だよりNo.15***

HIV感染(AIDS)は身近な病気になりつつあります

 HIVについて皆さんはどのくらい知識がありますか。HIVとはヒト免疫不全ウィルスの略です。HIVの感染源は血液、精液、膣分泌液、母乳で、性行為や注射の回し打ち、母子感染が主な感染経路となります。
 HIV感染後2週間ほどして現れる初期症状は、発熱、頭痛、咽頭炎、リンパ節腫脹、発疹、下痢など、いわゆる風邪に近い症状が多いと言われています。
 一方、ほとんど症状が出ない場合もあります。感染してもすぐにAIDS(後天性免疫不全症候群)を発症するわけではなく、HIV感染後10年ほどして発症します。最近は西日本で増加傾向にあり、HIV感染増加率は広島県がなんと全国1位です。
 若い人の病気と思われがちですが、HIV感染者の4分の1は40代以上で、中高年になって突然発症する、「いきなりエイズ」も増えています。HIV感染=AIDS(エイズ)と思っている方は少なくないと思います。ひとたびAIDSを発症すると進行を止めることは非常に困難です。
 しかし、近年では薬物治療が非常に発達し、早期に診断できればAIDS発症までの期間をより長く通常の日常生活を送ることができるようになりました。そのためには早期発見がなにより重要となります。
 尾道市医師会ではHIV感染症についての理解を深めていただくため、毎年市民公開講座を開催しています。今年は7月10日(日)にしまなみ交流館にて「HIVとともに生きる~身近な人が感染していても一緒にいられるわたしでいるために~」として岡本学先生(大阪医療センター・ソーシャルワーカー)に講演していただきます。同時に無料でHIV抗体検査も行います。また、各地区の保健所でも無料検査を行っていますのでお問い合わせください。